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その夜、isi-okaは池袋にいた。心の中は、平穏だった。
もうすぐ社会人になる、その直前の「モラトリアム」を満喫していた。
目の前には、鮮やかな画面が光っている。クイズゲームのようであった。

ふと、周りを見る。様々な人間が、様々な姿で画面に向かっている。
二人でしている者、一定のリズムで体を動かす者、大きなリアクションを取る者…
画面に再び目を移すと、画面が眩しくて仕方なかった。
思わず、目を押さえて筐体に背を向けた。出口となるエレベーターに向かう。
周りを見ると、弐寺をやっている人がいる。DMをやっている人がいる。
画面が色鮮やかに光り、プレイヤーの腕が垣間見えた。

エレベーターと共に、その前で力尽きているカップルが視線の中に入ってくる。
思わず一つ溜息をつき、視線を移すとビリヤード台が目に入る。
と共に、店員が机に寝そべりながら、客と話している姿が眼に映る。
思わずため息をつく自分に舌打ちし、isi-okaはエレベーターに乗った。

外に出たisi-okaは、あたりの暗さと明るさに戸惑いつつ、携帯に目を移す。
1時間ほどブラブラして、また筐体の前に座る事にして自転車を走らせた。
目的地などなく、見るべき物も無い。そう思っているisi-okaはある公園に着いた。

そこには、様々な人間がいた。見ようとしなくても、視線に入ってきた。
愛を語らうもの、宿が無いもの、酒に溺れた者…多士済々だった。
その中で、異様な二人にisi-okaの視線は釘付けになった。

一組の男子が、キャッチボールをしているのである。
明かりといえば、近くにあるコンビニの照明と薄暗い街灯くらいのものであった。
到底、ボールの輪郭が見えそうに無いそんな明るさであった。
そんな中、何か細々と話しつつ、キャッチボールをしているのである。

isi-okaは思わず自転車から降り、コンクリートのガードに腰掛けた。
いつしか彼らの動きから、話から目が離せなくなっていた。


<続く>

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